2011年04月01日

4月 鬼怒川温泉の花見スポット

里桜に癒される鎮魂の春。
彩とりどりの花を訪ねる鬼怒川の寄り道旅。

2011年4月某日

気づけば早くも春暖。日ごとに彩りを増す自然の姿に、今年は誰もが特別の感懐を覚えるだろう。まだまだ癒えぬ震災の傷をそっといたわるように花は咲き、私もまた、その出会いを求め鬼怒川へとやってきた。例年、鬼怒川の桜の見頃は4月中旬くらいだと言う。途中、車窓から望む景色に魅入られ立ち寄ったのが鬼怒川温泉大原にある「鬼怒川レジャー公園」。ここはテニスやゲートボールが気軽に楽しめる市民憩いのスポーツパークだ。園内には丁度、大きな山桜や八重桜が春爛漫と咲き誇っていた。これからの季節は山つつじや藤も見頃を迎えるようだ。敷地の一番奥にある雷電神社脇には「開運桜」と名付けられた推定樹齢300年の山桜がひっそりと神の依代のように静かな威厳をたたえていた。復興の祈りを込め、そっと手を合わせる。

1.レジャー公園 小.jpg4.レジャー公園開運桜 小.jpg
5.レジャー公園雷電神社 小.jpg
68.桜イメージ 小.jpg


春雨にうるおう、花吹雪のさくら道。

恵みの穀雨か、はたまた花散らしの雨か。温泉街に入る辺りから本降りの雨模様。花見スポットのひとつ、鬼怒川温泉駅前の「さくら通り商店街」の桜並木もそろそろ見納めのようだ。雨に打たれ、はらはらと舞い散る零れ桜が歩道を桜色に染め上げていく。詩情あふれるその風景に佇めば、雨音さえまるでやさしい旋律だ。ひと雨ごとに生まれ変わる景色が自然界が持つしなやかな逞しさを教えてくれる。

10.さくら通り 小.jpg11.さくら通り 小.jpg6.さくら通り公園の桜 小.jpg


神々の御座を彩る、華麗なる花の競演。

このあたりの一番の花見どころ、護国神社は国道21号線を龍王峡方面に向かう途中、鬼怒川ロープウェイ山麓駅に隣接した場所にある。鳥居から社殿へと続く参道の両脇に並ぶ十数本の染井吉野の古木が、神々しいまでの花のアーチで迎えてくれた。社殿へといざなう階段を登り後ろを振り返れば、そこには山並みを背景に鳥居と桜がパノラマで見渡せる昔話のような里景色が広がる。静かに花見を満喫するにはまさに絶好のスポットだ。ロープウェイ山頂にある温泉神社の里宮だろうか、神社近くの国道沿いにはお稲荷様を祀る小さな祠があり、赤い鳥居としだれ桜の鮮やかなピンク色が作り出すコントラストの美しさに思わず車を止め、シャッターを切ってしまった。

23.護国神社 小.jpg15.護国神社 小.jpg
17.護国神社 小.jpg24.稲荷神社 小.jpg


願いを運ぶつむじ風「春一番 風街道」。

護国神社からほど近く、3万株もの芝桜の見頃だと聞いて訪れた滝見公園。そこにあったのは数えきれない程の風車の花畑だった。あとからホテルで聞いた話によれば、どうやらそれは温泉観光協会が中心となって鬼怒川温泉駅前や鬼怒楯岩大吊橋のたもと、湯の街公園など、街の5カ所に約15,000個設置した「春一番 風街道 2011」と言うイベントだったようだ。開催は今年が2回目。桜が咲く前の3〜4月にかけ鶏頂山から吹き降ろす北風を利用したこの催しは、今年は震災を受け予定より約1ヶ月遅らせての開催だったようだ。今年は特に被災地をはじめ日本全体が元気になるように、との願いが込められ風車の数も昨年の倍以上を設置。春風にくるくる回るその姿は訪れる人にどこか懐かしい記憶と微笑みをもたらしていた。

30.滝見公園風車 小.jpg28.滝見橋の芝桜 小.jpg31.湯の街公園 小.jpg


空と水、花と人。相睦みあう里の鄙道。

そういえば以前、七福神めぐりで訪れたオートキャンプ場のある鬼怒川上滝河川公園にも川に寄り添う桜並木があった。そう思い立ち上滝方面へも少しだけ足を伸ばしてみることにした。上滝付近はゆるやかなカーブが続く道沿いに絵になる蔵が点在する鄙里だ。道すがらの屋敷森には山桜や染井吉野、れんぎょうや花桃などの花々が色とりどりに咲いていた。その情景に心和まされながら河川公園へ到着。どうやら桜並木の桜は枝垂れだったようだ。樹齢はまだ若い。歩きながら見上げれば幾重にも重なる濃ピンク色の花弁が、青みを帯び始めた雨上がりの空に降り注ぐようにあでやかな色彩を描いている。傍らを流れる鬼怒川の川岸には川釣りに興じる太公望の姿もあった。3月から解禁される川釣りは魚種により9月中旬(ヤマメ、イワナ、サクラマス)、また10月末(ニジマス)まで楽しめると言う。

天気が少し回復してきたため、龍王峡方面へもドライブがてら遠回りをしてみる。途中、新藤原駅近くにあるロータリーの芝桜が人知れず見事なまでの見頃を迎えていた。ふと見ると駅のホームには常世の春とばかりに咲き誇る満開の桜がある。急ぐ旅でもなし、と、路肩に車を止めホームに入ってくる電車をしばし待つこと十数分。鬼怒川方面へと向かう2両編成の列車が滑り込んできた。思わぬタイミングに少し興奮ぎみにシャッターを切る。桜と電車の情景もまた、郷愁を誘う春のベストショットのひとつだろう。

34.上滝の風景 小.jpg38.キャンプ場 小.jpg70.桜イメージ 小.jpg36.キャンプ場釣人 小.jpg
40.藤原の芝桜 小.jpg45.新藤原駅 小.jpg


雨宿り、花宿り。鬼怒川公園にて花下遊楽。

さっきの青空はどこへやら。また雨が降り出してきた。しかし桜の時期の雨宿りなら退屈はしない。ホテルへ向かう道すがら次なる寄り道として選んだ鬼怒川公園界隈。公園駅の前には、びっしりと花をつけた堂々たる染井吉野の老木が雨に打たれ黒い幹と薄桃色の花のコントラストを一層際立たせている。その姿を仰ぎながら桜に囲まれた東屋でしばしホットドリンク片手に小休止。花冷えの言葉どおり、雨が降れば両手で包む温かな飲み物がまだ恋しい季節だ。それもまた花巡りの愉快さかもしれない。少し体を温めた後、鬼川公園へと向かう。目指すスポットは共同浴場の岩風呂で知られる鬼怒川公園の一角、鬼怒川小学校から保健センターと児童館、多目的広場へと通り抜ける裏道にあった。ソメイヨシノと枝垂れ桜が道の両脇にズラリと並んでいる。決して派手な道ではないが、S字カーブとなっている道の死角が景色にリズムを与え、濃淡の花色が面白い効果を作り出している。

43.鬼怒川公園駅前 小.jpg47.鬼怒川公園道路 小.jpg50.鬼怒川公園岩風呂 小.jpg


花も団子も。欲張りな旅ほど楽しみも尽きない。

チェックインのため向かったホテルでは、エントランスでも花吹雪の歓迎を受けた。ロビーにはあかあかと燃える薪ストーブが私たちを迎えてくれた。“花より団子”ではないが、ホテルならではのスイーツも一筆しておきたい。生地に黒胡麻と食炭を練り込んだホテル名物の「黒胡麻温泉まんじゅう」は甘さ控えめの上品な味わい。夜のバイキングのスイーツコーナーに並ぶカラフルな「マカロン」(私は「マコロン」だと勘違いしていた)には私の連れも大興奮。聞けば、フランス生まれの女性にとても人気があるスイーツなのだそうだ。

51.ホテル前桜 小.jpg52.ロビーの火 小.jpg
53.胡麻まんじゅう 小.jpg54.マカロン 小.jpg

翌日は晴天。少し早起きしてホテルから歩いて行ける花見坂までふたりで朝の花見散歩。鬼怒川の花と美味い料理をむさぼり、欲張り心に火が付いた私たちは帰りに日本の都市公園100選のひとつ、桜と芝桜の名所だと言う矢坂の「長峰公園」へ少し遠回り。グランドを囲むようにレイアウトされた桜の森には地水式庭園をはじめ遊具のある公園もあり、ひらひらと降り注ぐ桜吹雪が春の木漏れ日に抱かれ、うっとりとため息を誘うような美しさをたたえている。その健やかな安らかさに、今ある我々、日本人の苦悩を全て預けたい思いにかられた。
花は巡る季節を決して忘れない。自然界のリズムのように無駄に急がない日々にこそ、人生の花が待っているのかもしれない。神様の悪戯だろうか。“桜花を謳歌”した今回の旅にその想いを得た気がする。

64.花見坂 小.jpg62.長峰公園 小.jpg
57.長峰公園 小.jpg
61.長峰公園 小.jpg59.長峰公園 小.jpg



【鬼怒川温泉の花見スポット】詳細



さくらマップ4月.jpg

◎鬼怒川レジャー公園

鬼怒川温泉の日光側の入口にある公園。テニスコートやゲートボール場などを完備したアウトドアスポーツが楽しめる。ヤマツツジの名所で園内には春から夏にかけて、桜、藤などの花が咲き誇る。

住所/栃木県日光市大原35-1
TEL/0288-77-2757
営業時間/8:00〜17:00
定休日/木曜日
施設内容/全天候型テニスコート(6面)・ゲートボール場(8面)
料金/テニスコート:1面1時間 1,000円
   ゲートボール場:1面半日 2,000円
駐車場/100台

1.レジャー公園 小.jpg2.レジャー公園 小.jpg


◎開運桜
鬼怒川レジャー公園内にあるヤマザクラ。地上1.5mで太い幹が4本に分かれ、さらに細かい枝が四方に広がる均整のとれた姿をしている。毎年4月20日頃に開花。幹周3.5m。推定樹齢300年とされる。


4.レジャー公園開運桜 小.jpg5.レジャー公園雷電神社 小.jpg


◎さくら通り商店街
鬼怒川温泉駅前にある商店街に全長300mにわたり植樹された桜並木。約100本ものソメイヨシノは、毎年4月上旬〜中旬が見頃。

8.さくら通り 小.jpg10.さくら通り 小.jpg11.さくら通り 小.jpg


◎護国神社(藤原町護国神社)
昭和28年創建。鬼怒川温泉ロープウェイの温泉山麓駅の隣地にある神社で日清戦争以来の旧藤原町出身の戦没者を祀っている。境内は桜の名所としても知られる。敷地内にはロープウエイの山頂にある温泉神社(豊川稲荷神社)の里宮がある。

13.護国神社 小.jpg16.護国神社 小.jpg21.護国神社 小.jpg


◎春一番 風街道 2011

「水」「華」「風」「音」「愛」をテーマに鬼怒川温泉駅前広場、鬼怒楯岩大吊橋(松原公園)、くろがね橋(鬼怒子の湯)、湯の街公園、滝見公園、楯岩鬼怒姫神社において色鮮やかな風車をディスプレイした鬼怒川温泉観光協会のイベント(3〜4月開催)。

31.湯の街公園 小.jpg30.滝見公園風車 小.jpg
27.楯岩大吊橋公園風車 小.jpg
32.湯の街公園 小.jpg


◎滝見公園の芝桜

鬼怒川に架かる滝見橋(吊橋)のたもとにある滝見公園は芝桜の名所。約4,000uの敷地には様々な植物が植えられ、4月下旬から6月上旬にかけピンクや白の30,000株もの芝桜が咲き誇る。対岸の滝見橋のたもとからが絶景ポイント。

28.滝見橋の芝桜 小.jpg


◎大滝河川遊歩道(鬼怒川上滝河川公園)
鬼怒川の上流に広がる全長約1kmの大滝河川遊歩道は、川伝いに鬼怒川上滝河川公園につながっている。公園内の遊歩道エリアは知られざる枝垂れ桜の穴場スポット。のんびりと散策をしながらの花見が楽しめる。

38.キャンプ場 小.jpg37.キャンプ場 しだれ桜 小.jpg39.キャンプ場 小.jpg


◎鬼怒川公園
鬼怒川公園駅裏に広がる公園。園内にはソメイヨシノや枝垂れ桜の他、ボタンや芍薬、ヤマツツジ、アヤメ、カタクリなど季節折々の花が楽しめる。野外ステージの他、鬼怒川温泉唯一の共同浴場である鬼怒川公園岩風呂もある。

42.鬼怒川公園駅前 小.jpg44.鬼怒川公園駅前 小.jpg
48.鬼怒川公園道路 小.jpg47.鬼怒川公園道路 小.jpg


◎花見坂
湯の街公園から階段を下りた場所にある坂。春のおすすめ花見スポット。

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★温泉街内の花見スポットに関する問い合わせTEL/0288-77-2052(鬼怒川・川治温泉観光協会)


◎長峰公園
“つつじの郷やいた”の顔として親しまれている公園。春には約150本の桜、約5000株のつつじ、芝桜が次々と咲き誇る。芝生の広場や親水エリア、遊具のあるスペースもあり、大人から子供まで楽しめる。

住所/栃木県矢板市中416-1
TEL/0287-43-6211(矢板市商工林業観光課)
営業時間/通年
定休日/無休
施設内容/全天候型テニスコート(6面)・ゲートボール場(8面)
料金/グラウンド
   シンボルタワー
   遊具公園
駐車場/180台

55.長峰公園 小.jpg56.長峰公園 小.jpg60.長峰公園 小.jpg


posted by kinugawaaruku at 10:00 | 日記 | 更新情報をチェックする
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