2011年08月01日

7月 日光 花いちもんめ

敷地面積約4000坪、
関東以北で最大規模を誇るベゴニア園。

2011年7月某日

 うだるような暑さが続くかと思えば、ざあざあと滝のような雨が降る。今夏の旅はとかく天気に嫌われたようだ。鬼怒川で温泉休日を楽しんだ翌日、窓の外はまたあいにくの雨天。小降りと本降りを繰り返す天の気まぐれさに閉口しながら、予定変更で向かった先は鬼怒川温泉から東武鬼怒川線の小佐越駅方面に向かい、鬼怒川有料道路のトンネルを抜けたところにある「日光 花いちもんめ」。2002年にオープンしたこの施設は関東以北で最大規模を誇る日本有数の大ベゴニア園だ。
 車を降り大粒の雨を避けるように小走りで入口へと向かう。受付のある管理棟には土産コーナーも併設され、花にまつわる雑貨や食品をはじめ、地元の特産品が販売されている。気になる施設は受付棟の向こう、大温室とひとまわり小さい小温室が廊下でつながっているようだ。扉を開け一歩、足を踏み入れたとたん、天井から床まで広がる極彩色の景色にまず圧倒されてしまった。 
 聞けば大温室は20m×90mもの広さがあり、小温室内と合わせ約600品種、計5000鉢もの植物が常時栽培されているとのことだ。大温室では花の美しい球根ベゴニアを中心に赤、ピンク、黄色、白などの花々が空調と潅水のシステム化により一年中満開の状態で咲き誇っているのだと言う。中でも圧巻は天井一面から吊り下げられたベゴニアの常識が覆えるハンギングタイプの見事な花鉢と、温室の壁面のひな壇にずらりと並ぶスタンドタイプの球根ベゴニア鉢だ。その壮観な眺めはまさにため息の一言につきる。ハンギングタイプは約800鉢、長いものは2mをゆうに超える。スタンドタイプの球根ベゴニアは常時3,000鉢展示されているらしく、その花の大きさたるや子供の顔ほどもある。まるで花まっさかりの牡丹園のようでもある。想像以上の園の規模と楽園のようなその彩りに外の大雨も忘れてしまった。

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鑑賞から花鉢販売、寄せ植え体験まで。
花の魅力にふれる大温室エリア。


 温室は室温15℃以上25℃以下に保たれているため、夏も冬も快適にゆっくり花を観賞できる。大温室の中央には喫茶コーナーも設けられ、頭上一面に広がる球根ベゴニアを仰ぎながらゆったり休憩できるようになっている。一角には、園内で育てた木立ベゴニアやレックスベゴニア、その他四季折々の花鉢(ちょうど訪れたときはダリアだった)や花の雑貨を販売するフラワーショップもあった。自社農場の直売品だと言うリーガスベゴニアなど、様々な種類の品質の良い株が手頃な値段で手に入るとあって、連れはすでに品定めにすでに夢中のようだ。チラシによればここで寄せ植え体験もできるとある。
 花への興味は興味でも、連れとは対照的に花などの写真が趣味の私には見たことのない百花繚乱の風景に気分もやや昂揚ぎみ。ここでは花の他にも美しい鑑賞用の“斑(ふ)入り”の葉を持つベゴニアの種類も豊富だ。流れるプールに花を浮かべたフラワープールでは、咲き誇るペチュニアの花と南国ムードただよう美しい景色に何度もシャッターを切ってしまった。

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季節折々のイベントの他、
挙式場も併設された小温室エリア。


 大温室から廊下でつながる小温室内には、ベゴニアにとどまらない旬の花々や高さ5mもあるフラワータワー、4.000株を誇ると言う見事なコチョウランやハンギングタイプの観葉植物などが、まるで巨大な生き物のように並んでいた。中にはきれいに剪定されたトピアリー(樹木や低木を刈り込んで動物をかたどったりする造形物)やサボテン・多肉植物のコーナー、フラワーアレンジメントコーナーなどもある。
 連れが思わず歓声を上げた美しい「ホクシア(フクシア)」の八重咲きも咲いており、自然が創り出す奇跡のようなその造形美に思わず見惚れてしまった。日本名では釣浮草(つりうきそう)と言われるこの花は、南米(一部は中米やポリネシア)の熱帯・亜熱帯が原産。下向きに咲く上品なその姿から“女王様の耳飾り”という形容でも愛されているのだそうだ。

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 訪れた時期がちょうど、夏休みということも手伝い、室内にはウサギやヒヨコとふれあえる動物コーナーやぬり絵コーナーが設置され、小さな子供たちが楽しそうに歓声を上げている。傍らには挙式もできる花に囲まれた教会スペースもあった。大温室がゆったりと花を鑑賞するエリアだとしたら、小温室は花や植物と触れあうイベントエリアのようだ。
 小温室に隣接して屋外にはクレマチス園として、大鉢やプランターに植えられたクレマチスが雨に濡れ、一層あでやかな色を見せている。この屋外エリアは5月中旬〜10月上旬にかけて約200種類、600鉢のクレマチスの他、ダリアやポーチュラカなどの花を展示している。10月以降はこれらの花がパンジーやビオラに替わるとのことだ。残念ながらの天気でゆっくりと屋外まで鑑賞できなかったのが心残りだが、次の季節にその楽しみを譲るとしよう。

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花の香りが広がる名物スイーツ
「ベゴニアソフト」。


 ひととおり見終わったあとは大温室に戻り、喫茶コーナーで小休止。ここの名物だと言う「ベゴニアソフト」をいただいてみた。ほんのりとピンク色をしたこのスイーツは、ベゴニアをイメージしてつくったのだと言う。なるほど、確かに口に入れた瞬間、ふわりと上品な花の香りが広がる。甘さは控え目。私たちと同様に、このソフトクリームで小休止(?)中の年配のご夫婦としばし花談義のひととき。外は雨でもここに流れる時間だけはまさに春のようだ。ガラスの屋根に打ちつける雨音に一切の世界が遮断され、より親密でしあわせな気配が満ちている。文字通りの花下遊楽をたっぷり満喫した連れも、穏やかな会話に包まれお目当てのリーガスベゴニアを手に陽だまり顔だ。そういえばいつか目にした広告に“きれいに咲くものを花と呼ぶ”というフレーズがあった。花はその姿をもって古くから人の心の中の“花”を呼び覚ましてきたのかもしれない。そう考えれば、今回の雨も思わぬ収穫なのかもしれない。雨には雨の楽しみ方を見つけて過ごす、そんな旅もまた味わい深いものだ。
 そういえば私たちが訪れた時期、ホテルでは夏休み向けの企画としてちょうど「パイレーツブッフェ」の夕食バイキングを開催していた。会場の装飾やスタッフの衣裳、そして料理も海賊をイメージした楽しい趣向で、多くの家族連れでにぎわいを見せていた。夏は家族の笑顔が満開となる季節。いつの時代にも“花”はしあわせの隣りに咲く、もうひとつの春なのかもしれない。

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36.ベコニアソフトs.jpg43.花イメージ07s.jpg50.花イメージ15s.jpg55.ビュッフェバイキング装飾s.jpg


【日光 花いちもんめ】詳細



◎花と緑の楽園「日光 花いちもんめ」
2002年オープン。敷地面積約4000坪、関東以北で最大規模を誇るベゴニア園。大小2つの温室では、空調と潅水のシステム化により1年中満開の花々が咲き誇る。室温は一年を通じて常に15℃〜25℃以下に保たれているため夏も冬も快適。頭上一面に広がる球根ベゴニアをはじめ、合計8,000鉢、約600品種の見事な花々が鑑賞できる。
花鉢販売コーナーでは夏から秋にかけて様々な種類のダリアを販売している。

住所/栃木県日光市小佐越坂の下800
TEL/0288-77-0866
営業時間/9:00〜17:00(冬季は16:30)
     *入場は閉園30分前まで
料金/入園料:大人800円 小学生400円(団体割引あり)
定休日/年中無休
駐車場/大型駐車場有
http://www.nikko-hanaichimonme.jp/index.htm

【ベゴニア】
シュウカイドウ科シュウカイドウ属(ベゴニア属、学名 Begonia)に属する植物の総称。熱帯?亜熱帯地方の原種を交配したため多くの種や品種がある。ベゴニアの多くは多年草の草花だが、中には球根性、木立性のものもある。また花を鑑賞するためのものが多いが観葉植物とするものもある。日本で栽培されている種類は多いが、大きく分けて3つのタイプがある。


◎木立ち性ベゴニア
花壇に植えられる小さな花を多数つけるタイプ。センパーフローレンス(日本で知られる定番ベゴニア。公園や学校に植えられている小さいベゴニアはほとんどこの種類)が代表。生育形態から叢生型、矢竹型、多肉茎型、つる型に分けられる。ちなみにセンパフローレンスは叢生型。

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◎根茎性ベゴニア
インドからベトナム原産の品種に、他種を交配して作出された品種群。代表であるレックスベゴニアは葉に美しい模様と色を持つ交雑種。根茎性のベゴニア自体はオセアニアを除く世界の熱帯、亜熱帯に広く分布しており、その種類は数千と言われる。
根茎性ベゴニアには元々のレックスと同じ根茎性のほか、木立性になるものもある。

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◎球根性ベゴニア
ペルー、ボリビアなどのアンデス高山地帯に分布する植物の交配種。半耐寒性で暑さに弱い多年生植物でフランス・イギリス・ドイツなどでは、家庭用の観賞植物として種子や球根が売られている。日本では専用の温室がないと栽培は困難。直径3〜4cmの不整形の塊茎をもち、茎は草丈20〜30cmで直立するものとしだれ状の物がある。日照に関わりなく適温であれば初夏から秋まで咲き続ける。花は大輪のものは花径15cm程にもなり、その豪華さは洋蘭やボタンに勝るとも劣らないほどである。

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・大温室(A棟)休憩コーナー
名物は花のシロップを混ぜた「ベゴニアソフト」(300円)と山形県産の蕎麦粉による手打ち蕎麦。(もりそば550円〜)その他、チーズケーキやあんみつ、コーヒー、ソフトドリンク等が楽しめる。

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・大温室(A棟)フラワープール

ベゴニアの花を浮かべた流れるプールはリゾート気分満点。(遊泳不可)

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・大温室(A棟)園内フラワーショップ
自社農場からの直売品のほか、園内で育てた四季折々の鉢花および花関連の雑貨類を安く販売。花鉢の人気はリーガースベゴニア。花売店内には寄せ植え体験コーナーも有。体験希望者はスタッフに申し出のこと。

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・小温室(B棟)イメージ
11.B棟イメージs.jpg15.B棟サボテンアートs.jpg18.B棟フラワーアートs.jpg
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・クレマチス園(屋外)
2004年オープンの屋外施設。冬季にはパンジー園として開園。

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・トピアリー

トピアリーとは樹木や低木を刈り込んで動物をかたどったり、立体的な幾何学模様を作る造形物のこと。「花いちもんめ」の駐車場にはツゲの木で作られた動物のトピアリーもある。

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posted by kinugawaaruku at 10:00 | 日記 | 更新情報をチェックする
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